猫と暮らす

愛猫が噛んでくる

猫ちゃんの困った行為としてよく挙げられるものは「ひっかき」と「噛む」でしょう。
ひっかきに関しては爪を切ることで、ある程度被害を軽減できるとしても・・・噛む場合はそうもいきません。

 

さっきまでうれしそうにのどを鳴らしていたのに急にガブリ! 気まぐれな猫ちゃんの甘噛みには、実はちゃんと理由があるのです。優しい甘噛みならいいけれど、噛みグセがエスカレートして、本気で噛むようになってしまったら大変です!
猫と遊ぶことは楽しいですが、本気で噛まれると痛いですし、他人を怪我させてしまうのも怖いですよね。
そもそも、噛まないように飼い主さんがコントロールしてあげることが大切です。

 

猫の本気噛み
猫ちゃんの本気噛みは、ちょっとしたひっかき傷程度のものではありません
仮に猫ちゃんに本気で噛まれた場合、少し痛みを感じたり、針で軽く刺した程度ではなく、歯でしっかりえぐられたような感覚を覚えるでしょう。

甘噛みと違って、猫に本気で噛まれた時は大怪我をすることもあるため、注意が必要です。

猫ちゃんの口腔内には多くの雑菌が潜んでおり、本気噛みではなくとも細菌感染を起こすことがあります。
感染症にかかる可能性を防ぐためには、猫ちゃんに噛まれた傷が小さかったとしても、早めに病院で手当てしてもらうことが大切です。
【猫の本気噛みは、下記のような様々な病気を引き起こす可能性があります。】
猫に噛まれることで発症する可能性のある主な病気

  • 猫ひっかき病
  • パスツレラ病
  • カプノサイトファーガ感染症
  • 鼠咬症(そこうしょう)
  • ストレプトバチル感染症
  • 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

この他にも、猫ちゃんに噛まれることで発症する可能性のある病気は複数あり、通院が必要になることも珍しくありません。
最悪の場合、死に至る可能性もあるため十分に気をつけましょう。

もし猫ちゃんに本気噛みされたと感じた時は、すぐに傷口を流水で洗い流し、念のため病院を受診することをおすすめします。

 

噛む原因は甘噛みと変わらない

猫ちゃんの本気噛みは、甘噛みの延長線上で起こることが多いです。
猫ちゃんが噛む時には必ず理由があると考えて、原因ごとに適切な対処を行いましょう。

 

まとめ


猫ちゃんが本気で噛んでくる時は、必ずなにかしらの原因があります。
飼い主さんにとっては「突然噛んできた」と思うような状況でも、猫ちゃんにはしっかりとした理由があるのです。
猫ちゃんの本気噛みは怪我や感染症の原因になるため、ひどくならないうちに適切な方法で直してあげることが大切です。
愛猫が噛むのは飼い主さんが嫌いだからではありません。
むしろ楽しく遊んでる時ほど、甘噛みをしてしまうこともあります。
猫ちゃんが噛むのは狩猟本能のひとつですので、噛むことそのものを禁止することは猫ちゃんにとっても不幸といえます。
おもちゃなどを使って噛む欲求を満たしつつ、人には噛みつかないようにコミュニケーションをとっていきましょう。

突然噛みついてくる理由

多くの飼い主さんを悩ませるのが、猫ちゃんの「噛む」行為ではないでしょうか。
当たり前のことですが、猫ちゃんは飼い主さんを攻撃したいわけではないのです。
万が一、誰かに噛みつき怪我をさせてしまったら大変です。
元々、狩猟動物であった猫には、今でも狩猟本能が残っています。
そのため、本能を刺激する動きや音や臭いを感じると、空腹でなくても獲物を狙う動作をしてしまうわけです。
猫ちゃんが噛んだりひっかいたりするのは、ある意味当たり前の行動なんですね。

 

しつけが必要

猫ちゃんが噛む時にはしっかりとした理由があります。例えば、飼い主さんに甘えたいときの甘噛みなどもその一つです。
甘噛みであれば問題ないので、飼い主さんが噛んだ状況と意味を冷静に判断し、それに適した対応をすることが重要です。
猫ちゃんは基本的に好奇心がとても旺盛です。特に動くものは、狩りの対象(おもちゃ)だと思っているため、なかなか反応させないようにするのは難しいものです。
特に、子猫の時はじゃれ合いの中で噛む加減を学んでいきます。
例えばですが、兄弟とじゃれ合うことで仲間同士の限度(甘噛み)を体得することができます。
興奮して本気で噛み合い痛い思いをしたり、大きな声で悲鳴をあげたり、またはもっと強く噛み返すという攻撃と防御のやりとりをする中で徐々に加減がわかってくるわけです。
そのため、本来は新しく迎え入れる子猫は最低生後2〜3ヶ月までは、親兄弟との生活を経験させるのがベストでしょう。
そういった経験がない場合は、しつけなど飼い主さんの方で工夫をしてあげる必要があります。

 

猫が噛む理由

今まで甘えていたのに急にガブッと噛みつかれた! 
・・・こんな経験をした飼い主は多いのではないでしょうか?
これは、猫ちゃんからの“やりすぎ”のサインなのです。
実はいきなり噛むのではなく、しっぽを床に打ちつけたり、耳が横にピンと張った“イカ耳”と呼ばれる状態にしたりして、“イヤ”という気持ちを飼い主さんに示しています。

 

ストレス

怖い目にあってパニックになったり、イライラする気持ちが抑えきれず、突然噛んでくる場合があります。
これを「転嫁行動」といいます。
不快なことがあったときに、たまたまそこにいた飼い主さんや他の動物などのせいにして、攻撃する、いわゆる“八つ当たり”にあたる行動です。

 

歯がかゆい

猫の甘噛みは生後2〜3ヶ月頃から見られるようになります。
これは、ちょうど新しい歯が生えてくる時期です。
歯茎がむずがゆくなって、身近なものをガジガジと噛んで歯固めをしようとします。
対策としては、ゴムのおもちゃやぬいぐるみなど、猫が気に入ったものを用意し、手を噛んだらすかさずおもちゃにすりかえてください。動くものに興味を示すため、おもちゃを動かしてあげるとより効果的です。

 

遊びたい(本能的なもの)

遊びたい盛りの子猫は、狩猟本能を発揮して、とにかく何にでもじゃれつくという習性があります。
可愛いのでつい手や指でかまってしまいがちですが、素手にじゃれつくのに慣れてしまうと、「人間の手はおもちゃだから噛んでもいい」と認識するようになってしまいます。
遊ぶときは素手ではなく、玩具を使うようにしましょう。
子猫は「もっと遊ぼうよ!」という挑発のために甘噛みをしてきます。
強く噛みすぎると兄弟猫や母猫から怒られるので、徐々に力加減を覚えていくようになるのです。
早いうちに母猫や兄弟猫から放されて育った猫の場合、飼い主が代わりに力加減を教えなくてはなりません。手足に強く噛みついてきたときには、少し大げさなくらい「痛い!」と声を出してみましょう。

叩いて叱るのはNGです。猫との信頼関係が壊れてしまいます。
強く噛みすぎてしまったと理解して、力加減を学んでいくようになります。
噛みつかれたとき、手を引っ込めるのは逆効果です。猫の狩猟本能をかき立ててしまいます。
キバが食い込んでしまうのでケガにもつながります。噛みつかれたときは手を引っ込めるのではなく、逆に猫の口の中に押し込むようにします。そうすると猫自身も苦しいので噛むのをやめてくれます。

「噛むと苦しいことが起きる」と覚えれば、噛み癖は次第に減っていきます。ただし、あまり口の奥まで突っ込んで、猫にケガをさせないように気をつけましょう。

 

甘えたい

猫が突然噛んでくると、飼い主は「嫌われている?」「怒っている?」と心配になるかもしれません。
しかし、猫の甘噛みは愛情表現である場合もあります。
おっぱいを吸う「吸い付き行動」の延長として甘噛みが現れることがありますけど、離乳が早すぎると、このような甘噛みが増える傾向が見られます。

 

やめてほしい

甘噛みは愛情表現だけでなく、不満を表すときにも現れる行為です。
なでられて喜んでいた猫が急に噛みついてくるのはよくあることだと思います。
これは、愛撫誘発性攻撃行動と呼ばれています。
「撫でる時間が長すぎる」「なで方が気に入らない」「さわられたくない場所をなでられた」と感じたときに、突然甘噛みをするというわけです。
撫でているうちに耳をふせて「イカ耳」になっていたり、瞳孔が開いてきたりしたらイライラのサイン。
気まぐれな猫ちゃんに合わせるのは大変ですけど、なでているときに噛まれないようにするには猫ちゃんの気分を察するしかなさそうです。

 

かまってほしい

飼い主にあまりかまってもらえないと、気がついて欲しくて、わざと痛いように噛むこともあります。
この場合は、叱るのはかえって逆効果になります。
「噛めばかまってもらえる」と覚えてしまうのです。
気を引くために噛んでいるのだとわかったら、噛まれたら猫ちゃんから離れて相手にしないようにします。こうすることで「噛んだら遊んでくれなくなる」と覚えるようになります。

 

猫の気持ちや状況を考えて対処しよう

猫ちゃんが甘噛みをする理由はさまざま
噛んできた時は、それが身体的理由なのか?かまって欲しいのか?それとも嫌がっているのか・・・見極めることが大切になります。
言葉ではコミュニケーションが取れない猫ちゃんにとって、噛むという行為は飼い主へのメッセージです。
きちんと受けとめて、猫ちゃんとの楽しい毎日を過ごせるようになりたいですね。

噛まないようにする方法

猫ちゃんの本気噛みを直すには、以下のような方法があります。
なお、前提として「猫が嫌がることは避ける」ようにし、猫ちゃんが噛まずに済むような環境作りを心がけてください。
猫ちゃんの本気噛みを直すには根気が必要ですが、お互いが気持ちよく過ごせるようにしっかりと工夫してあげましょう。

 

普段から甘噛みも許さない

猫ちゃんの本気噛みを防ぐには、普段から甘噛みも許さないことが大切です。

甘噛みだから大丈夫と思って放っておくと、次第に噛む力がエスカレートしてくる可能性があります。

噛まれるたびに「ダメ」や「痛い」など少し大きめの声で伝えて、噛むのはいけないことだと教えてあげましょう。

 

噛んでいい玩具を与える

手を噛ませない代わりに、玩具など猫ちゃんが噛んでも大丈夫なものを用意しておきましょう。
猫ちゃんには狩猟本能があり、「ものを噛みたい」という欲求が生まれつき備わっています。
噛みたい欲求を上手に発散できるように、ゴムや布製のおもちゃを用意し、手を噛んできたら素早くおもちゃにすり替えてください。

 

噛まれる前に引く

噛まれる前に手を引いて、噛まれないようにすることも大切です。
噛んでくる時は、瞳孔が開く・尻尾を振る・尻尾が大きくなるなど・・・何かしらの前兆が見られます。
猫ちゃんの出すサインを見逃さず、怪しいと感じた時はタイミングを見て手を引くようにしましょう。

 

怒鳴ったり叩いたりしない

猫ちゃんが本気で噛んできても、絶対に怒鳴ったり叩いたりして、猫ちゃんに恐怖を与えてはいけません。
恐怖や痛みによるしつけは、猫ちゃんとの信頼関係が崩れ、今よりもひどい状態になる可能性があります。
猫ちゃんの興奮を防ぐためにも、絶対にやり返したりしないようにしましょう!

噛まれてしまったら

噛み癖のある猫ちゃんを飼い始めた時や、しつけの途中にはどうしても噛まれてしまうケースもあると思います。
猫ちゃんの口腔内は雑菌だらけです。
もし、噛まれて傷ができてしまった場合は、たとえ小さな噛み傷であっても放置すると膿んでしまうことがあります。
この時に、少し血が出ただけで大した傷じゃないからとそのまま放置するのは危険です。
流水で傷口をしっかりと洗うのはもちろん、傷の深さや痛みがひどい場合などは、必ずお医者さんに診てもらってください。
なぜなら、猫ちゃんの口内に生息するパスツレラ・マルトシダ菌によって、パスツレラ症という人畜共通感染症(ズーノーシス)を起こすことがあるからです。

 

噛まれることでヒトが発症する可能性がある病気

猫ひっかき病

原因:バルトネラ菌(Bartonella henselae)が原因の感染症。
症状:咬まれた部分が赤く腫れたり、化膿したりする。発熱、痛みがあり、脇の下のリンパ節まで腫れることも。まれに脳炎になり、意識障害を起こすことがある。

 

パスツレラ症

原因:パスツレラ菌が原因の感染症。
症状:咬まれた部分の皮膚が化膿する。

呼吸器系の疾患、骨隨炎や外耳炎、などの局所感染症、敗血症や髄膜炎など全身重症感染症になることもあり、最悪の場合、死に至ることも。

 

カプノサイトファーガ感染症

原因:猫の口腔内に生息している3種類の菌(C. canimorsus、C. canis、C. cynodegmi)が原因の感染症。
症状:発熱、倦怠感、腹痛、吐き気、頭痛など。敗血症や髄膜炎を起こし、死に至ることも。

 

鼠咬症(そこうしょう)、ストレプトバチル感染症

原因:鼠咬症スピリルム菌または、ストレプトバチルス菌が原因の感染症。
症状:発熱、寒気、筋肉痛、関節痛。まれに重篤な細菌性心内膜炎、髄膜炎、敗血症になることも。

 

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
原因:SFTSウイルスに感染することで発症する。
症状:発熱、倦怠感、下痢・便秘といった消化器症状。まれに意識障害、出血症状も。最悪の場合、死に至ることも。

 

まとめ

猫ちゃんの困った行為としてよく挙げられるものは「ひっかく」と「噛む」でしょう。ひっかきに関しては爪を切ることで、ある程度被害を軽減できるとしても、噛む場合はそうもいかず…そもそも噛まないように飼い主さんがコントロールしてあげることが大切です。
噛まれたら、水道水を流しながら、傷口をよく洗うようにしましょう。
そして患部に異常を感じたら、早めに受診を。

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